今回のテーマはこちらにいたしました。
おそらくここ10年ほどで、二重手術と同時に目つき矯正を行うケースが以前よりもはるかに多くなったように思います。
しかし、それに伴い成功するケースももちろん多いですが、副作用が現れるケースも多くなりました。
特に、小さく眠たそうな目を大きくする目つき矯正手術が、かえって過矯正となり、驚いたような目に見えたり、機能的な副作用を引き起こしたりするケースです。

このように、目を開ける際に自然に開くのではなく、過剰に開いてしまう状態です。
そして、まずは用語から再度整理いたします。
私たちがよく「退縮矯正手術」と言う場合、退縮(retraction)した状態を矯正する手術を指します。
時折、用語を誤って使用されているケースも多く見受けられます。
退縮を「目を開ける筋肉を後退させる」という意味だと誤解されることも多いのですが、そうではありません。
退縮というのは、過度に引き上げられ、あの写真のように目が開きすぎている状態のことです。
したがって、退縮した目を矯正する手術が退縮矯正手術なのです。
少なくとも用語を正確に使用し、正しい手術方法を熟知している整形外科専門医の施術を受けるようにしてください。

写真でお分かりのように、目を開ける筋肉の目つき矯正の糸だけを除去したからといって、退縮した目が矯正されることは絶対にありません。
最初にご紹介した<写真1>の患者様も、他院で目つき矯正を解く手術を受けられたそうです。
目を開ける筋肉を解いて分離し、ミュラー筋まで分離したとのことですが、全く矯正されていなかったそうです。
このような方法では矯正されません。
目を開ける筋肉(眼瞼挙筋)を瞼板から分離してミュラー筋を露出させ、さらに結膜とミュラー筋を分離して退縮矯正手術を進めます。
この過程が手術の核心です。ちなみに、この手術自体にも様々な変数があり、目元の整形の経験が豊富でない医師には難しい手術です。

このように順を追ってきれいに剥離を行い、癒着を解きほぐさなければなりません。
この時、出血が多くなりますが、経験豊富な医師は止血をしっかりと行うため、手術がスムーズに進みます。

このように目を開ける筋肉が解け、退縮していた目が下がるようになります。

こちらの方も手術1週間後の様子です。目の外側が吊り上がっていた部分がしっかりと矯正されました。

しかし、この退縮矯正手術には様々な変数があります。
最初は退縮矯正が成功したように見えても、後になって目が大きくなるケースもあります。
万が一、2〜3週間以内に再び目が大きくなった場合は、必ず早期矯正を受けなければなりません。他の手術に比べて早期矯正が必要になる確率が相対的に高いです。だからといって、すべての方がそうなるわけではありませんのでご安心ください。^^
また、非対称になる確率も他の手術に比べて相対的に高いです。とはいえ、無条件にすべての方に生じるわけではありませんのでご安心ください。^^ もし二重幅に左右差が生じた場合は、6ヶ月以降に再度矯正を行います。これについては早期矯正は行いません。なぜなら、変数が多いからです。

この患者様の場合、左目(写真上では右目)が目つき矯正により過矯正されていました。
癒着をしっかりと解き、黒目の見え方はほぼ同じになりましたが、相対的に右目(写真上では左目)のラインが低く見えたため、矯正を行ったケースです。
この内容は、2022年7月3日に発表される第15回眼整形研究会学術シンポジウムで講義する内容です。

整形外科専門医の先生方にとって、大いに役立つことを願っております。
